紛争の内容
依頼者は運送業者であり、トラックドライバーであった労働者から多額の残業代請求を受けるに至りました。
交渉・調停・訴訟等の経過
本件会社ではデジタコを導入していましたが、当該ドライバー労働者は会社の指示に従わないドラレコ操作をしていました。そこで、この操作の問題点を、ドラレコのシステムの内容も詳細に説明の上で、他の労働者の主張の信用性も揺らぐのではないかという点を指摘していきました。それを踏まえ、訴訟時にはどのような判断がなされるのか、相手方にも大きく不利な点があることを指摘し、一定程度譲歩した金額を支払うことでの解決をするべく先方弁護士と交渉を進めていきました。
本事例の結末
最終的には、あらかじめ作戦を練っていた範疇で相手方弁護士が主張・反論をしてきたため、うまく説得することができ、請求金額の約半額を支払うことでの和解をすることができました。
本事例に学ぶこと
訟時にはどのような判断がなされるのか、良くも悪くも不明であり大きなリスクと考えられたため、一定程度譲歩した金額を支払うことで、抜本的で確実・迅速な解決をすることができました。五歩十歩先を見据えて、何を重視するべきか考えた上で、会社にとって確実で手堅く、かつ、会社にとってできる限り最小限の損害で問題解決をすることができました。
弁護士 平栗 丈嗣